Psalms // 詩篇
1 アサフの歌
2 神は正しい者にむかい、心の清い者にむかって、まことに恵みふかい。
3 しかし、わたしは、わたしの足がつまずくばかり、わたしの歩みがすべるばかりであった。
4 これはわたしが、悪しき者の栄えるのを見て、その高ぶる者をねたんだからである。
5 彼らには苦しみがなく、その身はすこやかで、つやがあり、
6 ほかの人々のように悩むことがなく、ほかの人々のように打たれることはない。
7 それゆえ高慢は彼らの首飾となり、暴力は衣のように彼らをおおっている。
8 彼らは肥え太って、その目はとびいで、その心は愚かな思いに満ちあふれている。
9 彼らはあざけり、悪意をもって語り、高ぶって、しえたげを語る。
10 彼らはその口を天にさからって置き、その舌は地をあるきまわる。
11 それゆえ民は心を変えて彼らをほめたたえ、彼らのうちにあやまちを認めない。
12 彼らは言う、「神はどうして知り得ようか、いと高き者に知識があろうか」と。
13 見よ、これらは悪しき者であるのに、常に安らかで、その富が増し加わる。
14 まことに、わたしはいたずらに心をきよめ、罪を犯すことなく手を洗った。
15 わたしはひねもす打たれ、朝ごとに懲らしめをうけた。
16 もしわたしが「このような事を語ろう」と言ったなら、わたしはあなたの子らの代を誤らせたであろう。
17 しかし、わたしがこれを知ろうと思いめぐらしたとき、これはわたしにめんどうな仕事のように思われた。
18 わたしが神の聖所に行って、彼らの最後を悟り得たまではそうであった。
19 まことにあなたは彼らをなめらかな所に置き、彼らを滅びに陥らせられる。
20 なんと彼らはまたたくまに滅ぼされ、恐れをもって全く一掃されたことであろう。
21 あなたが目をさまして/彼らの影をかろしめられるとき、彼らは夢みた人の目をさました時のようである。
22 わたしの魂が痛み、わたしの心が刺されたとき、
23 わたしは愚かで悟りがなく、あなたに対しては獣のようであった。
24 けれどもわたしは常にあなたと共にあり、あなたはわたしの右の手を保たれる。
25 あなたはさとしをもってわたしを導き、その後わたしを受けて栄光にあずからせられる。
26 わたしはあなたのほかに、だれを天にもち得よう。地にはあなたのほかに慕うものはない。
27 わが身とわが心とは衰える。しかし神はとこしえにわが心の力、わが嗣業である。
28 見よ、あなたに遠い者は滅びる。あなたは、あなたにそむく者を滅ぼされる。[29] しかし神に近くあることはわたしに良いことである。わたしは主なる神をわが避け所として、あなたのもろもろのみわざを宣べ伝えるであろう。